スポーツ用品ブランドが不確実性を好機に変える方法とは
ベルン(スイス), 2025年3月6日 /PRNewswire/ -- マッキンゼー?アンド?カンパニー(McKinsey & Company)と世界スポーツ用品工業連盟(World Federation of the Sporting Goods Industry、WFSGI)は、「スポーツ用品業界2025 – 新たな均衡の実現:不確実性を好機に変える」の出版を発表しました。
調査結果報告
過去1年間、スポーツ用品業界は経済の変動、地政學的緊張、そして変化する消費者行動に対応しながら持続的に発展してきました。成長の鈍化が予測されており、2024年から2029年の年間成長率は6%と見込まれています。この狀況により、経営幹部は売上高と収益性の雙方に注力する必要に迫られています。それでも、本報告書によると、業界の経営幹部の44%が2025年について「楽観的」または「やや楽観的」と考えており、広範な課題がある中でも機會を捉えることに対する慎重ながらも前向きな姿勢が示されています。
「不確実性の高い環境の中で、當社の分析は進化する消費者行動とトレンドを浮き彫りにしており、スポーツ用品ブランドにとって成長の機會をもたらしています。」と、マッキンゼーのパートナーであるアレクサンダー?ティール氏は述べています。「2025年において成功を収めるためには、経営幹部は売上成長と収益性のバランスを取ること、多様な消費者セグメントとのエンゲージメントを強化すること、そして対面型とデジタル體験を統合することに注力すべきです。」
WFSGIのCEOであるエマ?ツヴィーブラー氏は、次のように続けました。「本報告書が、不活動の危機を健康とビジネスの両面で前向きな変革の契機とする可能性を示していることを、大変喜ばしく思います。統計データは重要であり憂慮すべきものですが、同時に、WHOが指摘する18億人の運動不足の成人と関わる機會も示しています。運動を促進することは、健康面での必須事項であるだけでなく、大きなビジネス機會でもあります。私たちの業界は、身體活動をより身近なものにし、誰もがより健康でアクティブな世界を実現する一助となることで、グローバルな健康増進に貢獻する可能性を持っています。そして、それによって業界の成長も促進されます。まさに雙方にとって利益のある取り組みです。」
本報告書では、市場を形成する主要なテーマを詳述し、成長の道筋となり得る消費者トレンドを取り上げています。
身體活動の不足は最大の未開拓市場。身體活動の重要な利點にもかかわらず、運動不足の成人の割合は2010年の26%から2022年には31%へと増加し、2030年には35%に達する可能性があります。WHOの推奨する身體活動レベルを満たしていない世界の成人人口は現在18億人に上り、これはインドの成人人口の2倍に相當する未開拓市場となっています。スポーツ用品業界の企業には、運動習慣のない消費者の身體活動レベルを向上させるために、的確な施策を講じる機會があります。企業は、製品の革新、認知向上のためのマーケティングキャンペーン、若年層とのエンゲージメント強化などを通じて、運動習慣のない層における身體活動の障壁を取り除くことができます。本報告書では、この課題が業界単獨で対処するにはあまりにも大きいため、異業種間の連攜強化が不可欠であることも強調されています。
アクティブライフスタイルのアイデンティティ化。世界的に身體的不活動が過去最高水準に達する一方で、ますますアクティブになる消費者セグメントも存在しています。すでに身體活動を習慣化している人々にとって、運動は単なる娯楽を超え、健康維持の中核となる要素であり、個人のアイデンティティを形成する重要な要素へと進化しています。アクティブな消費者のほぼ2人に1人、またZ世代およびミレニアル世代の多くが、フィットネスを自身のアイデンティティの中核と捉えています。このトレンドは、スポーツ用品ブランドにとって、アクティブな消費者の感情的?機能的ニーズを満たす製品を開発し、長期的なブランドロイヤルティを育む機會となります。
市場シェアの再編。スポーツ用品市場では、新規參入企業の急増が見られています。これには、一般的なアパレル企業に加え、ランニング、ヨガ、サイクリング、ジムウェアといった特定のセグメントに特化した企業も含まれています。これらの新興ブランドは、市場參入の障壁の低下と、特定の消費者セグメントに向けた明確な価値提案の強化による恩恵を受けています。2019年から2024年にかけて、上場している新興ブランドは、大手既存企業を上回る成長を遂げ、市場シェアを3ポイント拡大しました。
ライブスポーツとエンターテインメントの融合が急成長。消費者調査によると、回答者の81%が過去1年間に対面式のフィットネスクラスに參加したと回答しています。ライブ體験への需要の高まりにより、マッキンゼーは、2023年の世界のライブイベントのチケット販売市場は1,000億ドルを超え、2030年には1,500億ドルに達する可能性があると推定しています。これに伴い、スポーツ、エンターテインメント、小売を融合した施設が増え、競技やパフォーマンスを特徴とする新しいスポーツ形式が生まれ、スポーツを題材にしたコンテンツも増加しています。ブランドは、対面型とデジタル型の提供を効果的に組み合わせ、他の業界プレイヤーと提攜することで、スポーツとエンターテインメントの融合領域を最大限に活用することができます。
調査について
本報告書は、複數の調査活動から得られた洞察と見解を取りまとめたものです。
WFSGI スポーツ用品業界エグゼクティブ意識調査(2024年12月)– 50人のスポーツ用品業界の幹部を対象に、業界の現狀や今後重要となる要因についての全體的な意識を測定しました。
マッキンゼー スポーツ用品市場消費者調査(2024年12月)– ドイツ、英國、米國の3,600人以上の消費者を対象に実施した調査で、身體活動への取り組み、ライブスポーツやエンターテインメントとの関わり、スポーツウェアブランドの消費動向について分析しています。この調査対象のうち、アクティブな消費者と自己認識している1,842人をセグメント化し、この層の特性をより深く分析しました。
さらに、追加の調査?分析として、公開情報(年次報告書、企業出版物、プレスリリース)のレビューや、上場企業の財務分析を実施し、業績および市場シェアの評価を行いました。
3月17日に、マッキンゼー?アンド?カンパニーおよびWFSGIのCEOエマ?ツヴィーブラー氏によるライブウェビナーが開催されます。
マッキンゼー?アンド?カンパニーについて
マッキンゼー?アンド?カンパニーは、組織の持続可能かつ包括的な成長を加速させることを使命とする、グローバルな経営コンサルティング企業です。同社は、民間、公共、社會の各セクターにおけるクライアントと協働し、複雑な課題を解決するとともに、すべてのステークホルダーにとって前向きな変革を創出することを目指しています。また、大膽な戦略と革新的な技術を融合させ、組織が持続可能な形でイノベーションを推進し、長期的な業績向上を実現するとともに、現世代および次世代にわたって成長し続ける人材基盤を構築できるよう支援しています。
WFSGIについて
世界スポーツ用品工業連盟(WFSGI)は、スポーツ用品業界を代表するグローバルな業界団體です。WFSGIは、ブランド、製造業者、小売業者、各國のスポーツ連盟を代表し、スポーツおよび身體活動を通じて健康、持続可能性、経済成長を促進する政策や取り組みを提唱しています。